製品案内(1)

製品構成

★C mount 対応イメージング+レーザ照射同軸ユニット

お持ちの顕微鏡でレーザ照射が開始できます。

製品名:Pixel illuminator-C (IGLP-01)
イメージング機能とレーザ照射機能が一体化されたCマウント対応ユニット

特徴1:汎用性
・Cマウントレンズが取り付け可能であり、光学顕微鏡のカメラポートにも特殊アダプタなしで取り付け可能
・レンズ倍率を変更しても、観察画像で指定した位置にレーザ照射が可能

特徴2:高効率
・画像解析・画像認識との組合せにより、照射したい部分のみへのレーザ光照射が可能となり、照射時間短縮が可能

Application

光学顕微鏡用途

FRAP(光褪色後蛍光回復法)、PhotoBleachingOpto Genetics(光遺伝学)、IR LEGO(熱ショック応答) 、接着性細胞の細胞選別、Photolysis/Uncaging、Photoconversion / Photoswitching、DNAへの損傷など
UV光に反応するチャネルロドプシン(
Channelrhodopsins)であるCh7の励起にも対応しております。

フィールドレンズ用途

  光ワイヤレス給電、レーザクリーニング、レーザ錆取りなど

アピールポイント(1)

Pixel illuminatorはCマウントに取り付け可能であり、1つのポートから画像取得とレーザ照射を行うことができます。

Pixel illuminator-Cは最近の蛍光顕微鏡のトレンドにマッチした製品です。

アピールポイント(2)

低倍率の対物レンズを用いた場合においても、Photoconversion / FRAPを行うことがきる高ピーク出力と高コントラストなレーザ光照射が可能です。

Pixel illuminatorは、レーザ光源から出射したレーザ光を観察物の指定位置に照射します。その際に、ビーム径よりも大きいミラーを用いて位置の制御をおこなっているため、レーザ光は分配もされず、散乱もされません。

Pixel illuminatorにより得られた高ピーク出力 / 高コントラストレーザ照射の例

Remarks下記文献のPhoto switching を実現する405nm, 561nmの2波長搭載Pixel illuminator出荷実績有。
1kW/cm2の照射パワーをx10の対物レンズでも実現可能です。
Daniel Thédié, Romain Berardozzi, Virgile Adam, and Dominique Bourgeois,
"Photoswitching of Green mEos2 by Intense 561 nm Light Perturbs Efficient Green-to-Red Photoconversion in Localization Microscopy"
J. Phys. Chem. Lett. 2017, 8, 18, 4424–4430

アピールポイント(3)

340nm付近のUV波長域から1550nm付近のNIRの波長範囲まで、広い範囲の波長に対応しておりますので、さまざまなアプリケーションに対応可能。

基本仕様
本体サイズ
  基本ユニットサイズ 43mm x 72mm x 88mm (突起部を除く)
カメラ機能
  撮像素子:白黒 1/1.8" インチ
  画素数:3Mpixels ( 2048 x 1536 )
  露光時間:20μsec ~ 1sec
  PCとの接続ケーブル:USB3
レーザ照射機能
  画像から指定した位置にレーザ光を照射。スポットサイズ:約5 x 5 pixel
  画面の端2点間の移動時間:10msec
  対応レーザ波長:340nm-1600nm (NIR波長はオプション対応)
  光源はPixel illuminatorに接続する構成となります。
  照射位置指定方法:下記の4方法で照射位置の指定が可能

Remarks
レーザ光の波長付近の画像情報は取得できません。
レーザは発注時にご指定下さい。
データの御支給によりDeep Learning(深層学習)によるレーザ照射位置指定を承ります。

参考文献

'Plant optogenetics: Applications and perspectives', Hiromasa Shikata and Philipp Denninger, Current Opinion in Plant Biology, Volume 68, August 2022, 102256

松崎政紀, “オプトジェネティックスの最前線”, 化学と生物 Vol. 50, No. 6 (2012), pp.406-413

 

角田聡, “チャネルロドプシンの作動機構”, 日レ医誌(JJSLSM), Vol. 36, No.4 (2016) pp.451-459

K Sakai, K Tsutsui, T Yamashita, N Iwabe, K Takahashi, A Wada, Y Shichida, “Drosophila melanogaster rhodopsin Rh7 is a UV-to-visible light sensor with an extraordinarily broad absorption spectrum”, Scientific reports, 2017-08-04 

 

 1480nmレーザ照射のアプリケーション例

・Tomonori Deguchi, Mariko Itoh, Hiroko Urawa, Tomohiro Matsumoto,  Sohei Nakayama, Takashi Kawasaki, Takeshi Kitano, Shoji Oda,  Hiroshi Mitani, Taku Takahashi, Takeshi Todo, Junichi Sato,  Kiyotaka Okada, Kohei Hatta, Shunsuke Yuba, Yasuhiro Kamei,
"Infrared laser-mediated local gene induction in medaka, zebrafish and Arabidopsis thaliana",
Development Growth and differentiation, Vol. 51, pp. 769-775 (2009)

・Marina Venero Galanternik, Masataka Nikaido, Zulin Yu, Sean A. McKinney, and  Tatjana Piotrowski,
"Localized Gene Induction by Infrared-Mediated Heat Shock",
Zebrafish, Vo. 13, No. 6, (2016)
https://doi.org/10.1089/zeb.2015.1161

DMD ミラー方式との比較 (Pros/Cons)

方式の違い

特徴

Pros / Cons

Pixel illuminator が適している用途

(1)照射位置に光強度が要求される場合(対物レンズの倍率が低い場合)
顕微鏡の視野の広さと明るさは反比例するため、視野が広くなると照明強度は低下します。
Pixel illuminatorによるレーザ光の照射は、レーザポインターの技術を用いているため、照明強度は、DMD mirror方式よりも強くなります。照明光量不足という課題をお持ちの方は、Pixel illuminatorをご選択ください。(低倍率の対物レンズをお使いの場合、実体顕微鏡観察下でのレーザ照射に適しています。)

特にKAEDE, mEos2などのレーザ照射により発色する蛍光色を変化させることができる光スイッチングタンパク質の色変換には、Pixel illuminatorによるレーザ照射が適しております。

 

戸村道夫, 田中順子, 金川修身, 三輪佳宏, “蛍光タンパク質を用いた分子スイッチ機能を応用するイメージング法の開発”, BUNSEKI KAGAKU, Vo. 58, No.6, pp. 447-460 (2009)

 

戸村道夫, “光変換蛍光タンパク質「カエデ」発現マウスを用いた免疫細胞の全身性動態の可視化”, 生化学, Vol. 84, No.3, pp.195-202 (2012)

P. Annibale, M. Scarselli, A. Kodiyan, and A. Radenovic, “Photoactivatable Fluorescent Protein mEos2 Displays Repeated Photoactivation after a Long-Lived Dark State in the Red Photoconverted Form”, J. Phys. Chem. Lett. Vol. 1, No. 9, pp. 1506–1510 (2010)

 

 



(2)コントラストが要求される場合
Pixel illuminatorは、ミラーのエッジなど散乱源が光路中にないので、迷光は少ないです。
したがって、Pixel illuminator方式においては、レーザ光はスキャンするスポット部分のみに照射され、Off 部分には光は照射されません。
光の照射にきわめて敏感な材料をお使いの方は、Pixel illuminatorをご選択ください。

Pixel illuminatorにおける同時照射性の改善策 (オプション品利用)

Pixel illuminatorにおける同時照射性の改善策 (特注対応)

ビーム操作機構を2つ用いる方法
発光タイミング・発光時間はそれぞれ1msecの分解能で設定可能
フォーカス / スポットサイズ調整ユニットの併用により、ビームサイズの独立調整可能

CWレーザの指定エリアへの照射

顕微鏡下などで指定してエリアに均一にレーザを照射することが可能です。レーザ光照射量は、光源強度と移動速度で調整します。

 

 

パルスレーザを用いた細胞選別

培養容器を閉じた状態で不要な細胞を死滅させます。動画は蛍光顕微鏡観察下でのレーザ照射です。

輝点スポットの自動追尾

緑色を認識して、赤色レーザポインターを照射します。